(平成27年3月6日の福島県の海)
東日本大震災から丸四年が経った。
あれから何度と被災地に行っているから、復興へ着々と歩みを進めていることがよく分かる。
町が町としての賑わいを取り戻しつつある。
子どもたちの表情も明るい。
だけれども、まだまだだ。
がれきの山から更地に変わったけれど、更地は更地のままだ。
僕は自分のこととして、あの町々が輝きを取り戻す様を見届けなければならない。
地続きの、わが町。
被災地の子どもたちが笑っていなければ、自分たちの子どもも笑っていられるはずがない。
あの町々を置き去りにして、自分たちと子どもたちの明るい未来を想像することはできない。
僕がしていることといえば、被災地に行って子どもたちに絵本を読むことだけだ。
それになんの意味があるか分からない。
いや、物語の持つ力を信じているし、笑うことの意味も知っている。
だけどそういうことを伝えたいような、そうじゃないような。
ただ子どもたちと戯れたい、そういう気持ちが一番強いのかもしれない。
自分がしていることなど独りよがりなのかもしれないと、いつも心の底で思っている。
だけど、どうしても行かずにはいられないんだ。